早いもので2009年も半分終了。昨日は円盤で船、ピンフ、それから穂高亜希子さんのライヴ。久しぶりのアスナ君も元気そうで何より。ピンフには笑ったなー。などと思い出していると無性にビル・キャラハンの「ジム・ケイン」が聴きたくなる。ジム・ケインって、彼が好きな作家のジェイムズ・ケイン(『郵便配達は二度ベルを鳴らす』など)のことだろうか。聴いていると、歌詞の中に「昔は暗い人間だった/そして、明るくなった/でも、また暗くなった」という一節が出てくる。その「明るくなった」時期というのは、多分、ジョアンナ・ニューサムとつきあっていた時期で、近2度の来日もそこにあたるんだろうけど、そうか、また暗くなったのか……(笑)。でも、伸ばした髪も似合ってると思うし、それに何よりも、そうやって自分のことを客観視して歌詞に盛りこむところに余裕のようなものも感じられて、僕は、手に入れてから何度も最新アルバム『I Wish We Were an Eagle』を聴いています。ちなみにそのタイトル、自分が一羽のワシになりたいのではなく、自分「たち」が「一羽の」ワシになりたいと望んでいる、という部分がミソなのかな? ワシというとアメリカのシンボルでもあるし、複数の人間が一羽の鳥になる、というのは、いろんな受け取り方ができて、やっぱり、ビル・キャラハンは面白いな、と、あらためて。で、国内盤に歌詞カードが入っているのかもしれないけど、その「ジム・ケイン」、幼馴染の大束くんが訳してくれたので以下に。
ジム・ケイン
なんでもないものを探すようになった
風を受けた、1本の木のしなりかた
オチを気にせず、話をはじめるようになった
昔は暗い人間だった
そして、明るくなった
でも、また暗くなった
大きすぎて見えないものが何度も通り過ぎていく
日常ってそんなものかなって思ってた
死の影が、輝く一篇の詩になることもある
でも、夜の暗さに魅入られたまま
へとへとになるまでやってしまう
それから、なんでもないものを探すようになった
波のたたずまいのような
計画通りにいかなくて、走るようになった
うまくいかないときは、戻らない
自分だって、うまくやれたことを思い出す
うまくいかないなら、戻らないでおこう
うまくやれたあれこれを思い出す
もしくはうまくしてやられたあれこれを
というわけで、本日、スーパーデラックスで「公聴会」です(詳細は下のエントリーを)。「ジム・ケイン」はかけないけど、「Ex-Con」っていうスモッグ時代の大好きな曲を持っていこうかな、と思っています。