YTAMO:MI WO chan no TABI

 リリース以来、YTAMOのアルバム『MI WO』をよく聴いている。柵を越えて外に出て行く音の群れ、抱えようとしてもふわふわと捕まえきれない光る音。いろんな音が自律的に思い思いに動いているようで、これは、どこにもない戸外の音楽だなぁと梅雨の晴れ間を見上げて思う。思えば世界ってそんなものだ。
 聞けば、この『MI WO』も、先日リリースした松井一平、元山ツトムとの共作盤『don’t light up the dark』と同じく、あるアーティストの展示のためにつくられた音楽だという。ちなみにこちらのジャケットのアートワークも松井一平によるもの。自然の風物をキュビスムの方法で表現したような不思議な絵を見ながら、ぜひ『don’t light up the dark』と一緒に聴いてみることをおすすめします。
 そういえば、彼女の11年前のファースト・アルバム『Limited Leaf』をあらためて聴いてみると「よっ」とか「ほっ」とか楽しい掛け声が出てきて、そんな呼びかけはレイチェル・ダッドの『We Resonate』や、嶺川貴子とダスティン・ウォングの『Savage Imagination』、コルネリの『かいづか』等々にもあったような気がするし、ひいてはASUNAがライブ・パフォーマンス後半のピークでマイクを両手で包みながらスマーフ男組みたいなチップマンク声でビュービュー叫ぶ姿も連想してしまった。さらには遠くの砂漠からベルベル族の大きな叫び声がかぶさってきて……。
 きっと彼女ら彼らにはどこか共通する気風、さらに言えば、ある種の特別な念じ方みたいなものがあるのかもしれない。サイケデリックというよりはサイキック、不安定だけれど倒れない積み木は美しい。というわけで以下の日程で『MI WO』のツアーが始まるので、それを早速確かめに行ってこようと思います。

ココノネ空間 vol.2
6月18日(土)大阪 アオツキ書房
出演:YTAMO、嶺川貴子Yabemilk
DJ&音響:青柳亮(HORA AUDIO
開場 6:30pm/開演 7:30pm
料金 2,300円(予約)/2,800円(当日)

ココノネ空間 vol.2
6月19日(日)彦根 horaana
出演:YTAMO、嶺川貴子オオルタイチ
DJ&音響:青柳亮(HORA AUDIO
開場 2:00pm/開演 3:00pm
料金 2,000円(予約)/2,300円(当日)*ドリンク代別

YTAMO MI WO chan no TABI
6月21日(火)東京 七針
出演:YTAMO × 松井一平(ドローイング)、嶺川貴子&Dustin Wongトンチ × オオルタイチ
開場 7:00pm/開演 7:30pm
料金 2,500円(予約)/2,800円(当日)

YTAMO(うたも):荒木良子のソロユニット。クラシック・ピアノの世界を経てジャンル問わず2000年頃より活動開始。数枚の自主制作アルバム、2006年に「scilli disques」よりファースト・ソロ・アルバム『Limited Leaf』を発表。レゲエ・シンガー、カルカヤマコトのサポート・ミュージシャンとして活動後、自身のバンド「ウリチパン郡」のメンバーとして2011年まで活動(現在活動休止中)。2011年、オオルタイチとのユニット「オオルタイチ+ウタモ」として、キセルと共に東北ツアーを行う。この時、被災地へのチャリティとして共作「ともしび」を会場限定発売。同時にoorutaichi+ytamo「ihati ep」を発売。 2012年、フェリシティよりリリースされたOOiOOのドラマーであるOLAibiのサード・ アルバム『new rain』のレコーディング及びツアーメンバーとして参加。2015年、キセルのサポート・メンバーとしてライブに参加。現在はソロの他にオオルタイチとのユニット「ゆうき」としても活動。2016年3月にオーストラリアのルーム40/サムワン・グッド(国内盤はYACCA)より待望のセカンド・アルバム『MI WO』をリリース。さらに、松井一平、元山ツトムとの共作で、5月にアルバム『don’t light up the dark』をスウィート・ドリームス・プレスよりリリースしている。

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