『Sweet Dreams』第4号でもとり上げたように、僕らが尊敬する身の回りの会社のひとつに「プレスポップ」があります。便宜上「会社」という言葉を用いましたが、その業務は多様。まずは海外のコミックの邦訳や、オリジナルの書籍を制作・発行する出版社としてご存知の方は多いでしょうし、マニアを唸らすフィギュアやアパレルを作っているかと思えば、海外の雑誌やアートブックの輸入・国内流通なんてこともしています。さらにはたまたCDやレコードを出していたりもして、なかなかひと言でこれと括れるような組織ではありませんが、でも、その広がり方や多様性はとても自然で、要はこちらを愛でればあちらも愛でるしかなく、こちらもあちらも同じひとつのものとしてやってしまう。そんな会社なのでしょう。
そのプレスポップが渋谷のパルコブックセンターの一角のショーケースと壁面を使って2年前から身近な作家の展示をしているのですが(過去にはトータスのジョン・ハーンドンやザ・シー・アンド・ケイクのエリック・クラリッジの展示も)、昨年のジュヌヴィエーヴ・カストレイ「Débarrassée(解除)」展に続き、スウィート・ドリームス・プレスの展示をさせていただけることになりました。
「スウィート・ドリームス・プレスのお近くの作家さんの展示も一緒に…」というプレスポップ代表峯岸さんのリクエストに頭悩ますこと数日、ハッと頭をよぎったのは、仲良くしてもらっている吉本栄さんからときどきメールで送られてくる画像の幾つか、レコードのジャケットを彫った精緻なスタンプ・アートのことでした。それをつくっているのは「おこめつぶ」さんと言って…、さて、もし記憶力が良い方ならば、以前つくっていた『map』という雑誌に村尾泰郎さんの「ココナッツ・ホテル」という連載ページがあって、その挿絵を描かれていたのが「おこめつぶ」さんだったことを思い出されるかもしれませんが、というわけで、ザ・バーズの『ロデオの恋人』やミレニウムの『ビギン』、それにソニック・ユースの『Goo』といった僕も大好きなアルバム・カバーのハンコの実物をぜひ見てみたい、どうしても見たい見たい!と早速電話して展示をお願いしたわけでした。
スウィート・ドリームス・プレスのロゴも彫ってもらっちゃった。役得役得〜♪
こちらに、そのおこめつぶさんのブログがあるので、ぜひアクセスしてみてください。レコはん(レコード・ジャケットを彫ったスタンプのことをおこめつぶさん曰く)のみならず、以前から集めてらっしゃった古切手を使った雑貨、さらに小さなマッチ箱ドールハウス…。話を聞けば2年前の友達とのドイツ旅行の後、突然はんこを彫り始めたのだとか。そのとき何がおこめつぶさんに起こったのか。そんなことを想像して作品を眺めるのもきっと楽しいでしょうし、それにこのブログに書かれた並々ならぬ面白文章、この人、ただ者ではありませんよきっと。
と、ともかく、スウィート・ドリームス・プレスのそばで発見したNo.1スタンプ・ディガー、おこめつぶさんとプレスポップ・ギャラリー、スウィート・ドリームス・プレスの展示・販売にぜひ足をお運びください。スウィート・ドリームス・プレスは、一緒にタラ・ジェイン・オニールのあれこれも並べていて、最初の来日のとき(2002年)に公演会場で展示していた可愛いタイル・アートもありますよ(私物なので非売品だけど)。あとそうそう、スウィート・ドリームス・プレスのトート・バッグもつくってみたのでどうぞ見てみてください(実は初めてのレーベル・グッズ。売れないとヘコみそう…)。5月18日(日)までの会期です。
内側に便利なポケット2個つき。こちらでも販売しているのでぜひ!
スウィート・ドリームス・プレスとおこめつぶさんとプレスポップ・ギャラリーの展示即売会
パルコブックセンター渋谷店(03-3477-8736)
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコpart1 B1F
会期:5月2日(金)~5月18日(日) 5月25日(日)まで会期延長となりました!
時間:10:00am~9:00pm
*店内「PRESSPOP GALLERY」ショーケースでの展示となります(目印は世界各地の独立系書店トート・バッグが掛かってる柱!)。