そして、最後の3人目はデヴィン・ブレイナードという男性。これまでに紹介したふたりと多少、毛色が違うかもしれません。彼はミシガン州デトロイトに拠点を置くタイム・ステレオという面白レーベルや、UFOファクトリーという、昨年オープンしたギャラリー兼ライヴ・クラブをヒズ・ネーム・イズ・アライヴのウォーン・デフィーヴァーらと一緒に運営していることでも知られていますが、まずはアーティストとして紹介されるべき人でしょう。その手法はシルクスクリーンだったり、ステンシルだったり、もしくはそれらをキャラクターの形に沿って切り抜いてジオラマ風に仕立て上げたりといろいろなようですが、まずなによりも目を惹くのが、そこに登場するコミカルでポップなキャラクターたち。それと、バッジかなにかにして胸に飾りたくなるような丸々した雲たちです。
彼の作品は、先述のタイム・ステレオからの諸作品のパッケージや、同レーベルよりリリースされているアイダのリミックス・アルバム『Shhh…』にも使われていますが、さらに見ていただきたいのが上に紹介してるアイダの「Laurel Blues」のビデオ・クリップの愛らしさ。キャー! とはいえ、可愛い、愛らしいだけじゃなく、タイム・ステレオ自体、その奇天烈ノイズ・ミュージックで知られているだけに、ヒズ・ネーム・イズ・アライヴ同様、一癖も二癖もあるところがたまらんわけです。というわけでもうひとつ、今年の5月~7月にミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート・デトロイトで開催されていたUFOファクトリーのアート・ショー、その準備から完成までの模様(!)を早送りにした映像があったので、これを下でご紹介。段ボール・キッチンに手作りミラー・ボール……、当たり前のように手作り手作り手作り。いや、なんつうか、すごいわやっぱり。2001年、今はなき『電子雑音』の招聘による来日を見逃したのが悔やまれます。