『ヒストリー・グロウズ』の制作・製作費の一部をまかなうため、「k.」ことカーラ・シックリー本人がキックスターターという資金調達サイト(こちら)を利用したことは、私も以前フェイスブック等で紹介しました。このことは『ヒストリー・グロウズ』のライナーノーツで中西良之さんも触れていますが、無事、彼女は目標としていた650ドルを大幅に上回る募金を集め(最終的に1,111ドル)、そうして、この『ヒストリー・グロウズ』の音源を完成させることができたわけです。しかし、この『ヒストリー・グロウズ』のプロジェクトは、私たちがリリースしたCDのリリースをもって終わったわけではありません。ゴールはあくまでも、来年、彼女たち自身で製作・リリースされる『History Grows』にあります。
「せっかく募金したのに、何の連絡もなくいつの間にか日本盤が出ている。それはおかしいんじゃないか」。そんな声を見つけましたので、ここで私のほうからもご説明させていただきます。
まず、今回のキックスターターで「k.」が集めた資金については、先述したように彼ら自身が来年初旬に自主的にリリースする米盤の製作費に充てられることになっています。キックスターターでは、金額の多寡によって募金者への見返り(キックスターターでは「プレッジ(誓約)」という言葉を使っている)が設定されていて、この「ヒストリー・グロウズ」のプロジェクトの場合、10ドル以上の寄付から完成したCDが発起人から贈られるようになっていますが、そのCDも、もちろんスウィート・ドリームス・プレスからの日本盤『ヒストリー・グロウズ』ではなく、これから「k.」自身がリリースする盤になります(もしかしたら、おまけで日本盤がついてくる可能性はありますが……)。
というわけで、「k.」からの募金者への完成のお礼や報告も、その自主製作盤のリリースを待ってされることになります。今回は彼女に無理を言って日本盤を先にリリースさせていただきましたが、もちろんキックスターターからの資金を私たちが直接使うことはありません(そのためジャケットのデザインや仕様もすべて私たち独自で考案・制作しました)。とはいえ、キックスターターで得た資金の恩恵を間接的にこの日本盤が受けていることは確かです(例えば彼らが支払った録音代やマスタリング代の一部として)。こういったことを考慮すれば、「k.」側からこの日本盤リリースに当たって何らかの報告があって然るべきだったかもしれません。日本盤をリリースしたレーベルとしても、このことの周知を事前に促すなどの配慮が足らなかったことを反省しています。
とはいえ、ちょうどこの日本盤発売がホリデイ時期に重なっていたこと、そのためカーラ・シックリー本人に完成した日本盤がまだ届いていないこと等も踏まえて、どうか「k.」からの完成報告をもう少しお待ちいただけたらと思います。遅くとも数日中には私たちがリリースした日本盤が彼女の手元に届くはずです。その実際の盤を彼女が手にして完成を実感した際に、また、そう遠くない後日「k.」自身が手がける『History Grows』のリリース日が決まった際に、必ずお礼と報告があるはずです。
ちなみに私もキックスターターの本プロジェクトに募金した者として「k.」からのお知らせを心より楽しみにしているひとりです。では以上、ご理解・ご容赦いただければと思います。スウィート・ドリームス・プレスからのお知らせでした。
追記:12月29日、キックスターターの該当ページよりキックスターターの資金で制作するオリジナル盤が完成間近であること、そしてまた、日本盤リリースのお知らせも報じられました(こちら)。こちらの日本盤に配慮して少しだけオリジナル盤の発売は遅くなるようですが、キックスターターのサポーターの方には近日中になにか贈り物が届けられるようです。どうぞお楽しみに。