昨年は併設されている「しぜんの国保育園 small village」でトクマルシューゴくんと「TONOFON &SWEET DREAMS 2014」というイベントを開催しましたが、はて、スウィート・ドリームス・プレスで関わった最後の簗田寺での公演はいつだったかしら……。と、考えるより先に検索してみますと、どうやらそれは2013年の「はるでら」だったようです。
Gofishトリオやちょうど来日&帰国中だったレイチェル・ダッドとICHI、さらにお久しぶりのNoahlewis’ Mahlon Taitsにお初の井上智恵さんカルテット、さらに三富栄治くんフジワラサトシくんも加え、なんと200人近く集まったお客さんと共に春の陽気にゆらゆらと浸かった2013年の「はるでら」。お酒を給仕してくれた給湯室の女性陣の注ぎ方も相当ゆるくなっていたのでしょう。お客さんみな酒精に頬そめて少し熱にうかされたような1日だったことが遠く思い返されます。
さて、一転「あきでら」はというと、最後のそれははるか彼方の2010年のこと。こちらはソロでは初のジャパン・ツアーを敢行中だったライアン・フランチェスコーニに、偶然にも同時期に日本巡業中だったグレッグ・デイヴィスのサン・サークル、ベン・ヴァイダ、そしてグルーパーの3組も合流した今から思えば夢のような組み合わせ。特にグレッグ一行は日本中を右往左往の過酷なセルフ・ブッキング・ツアーだったためかツアー中の疲労も垣間見られたものの、でも、ホッとしたようなあたたかい真空地帯にトロミのあるドローンが響いていたことを覚えています。まるで山の中にふっと現われた避難所かなにかのような……。
というわけで今回の「あきでら」は、予想してみるとその中間のどこかと言えるでしょうか。nan!ka?が振るまう中国茶をふーふーしながら境内をうろうろと、遠くからは耳を澄ますまでもなくASUNAのドローンやビート、コルネリさんの高らかな歌声と賑やかな伴奏が聴こえてきます。久しぶりに開放する東屋には熱々の食べ物・飲み物が用意され(と同時にキンキンに冷えたビールもね)、その脇のブースには、静岡県三島市でスタートしたDIRTYこと西山敦子さんたちのDIYスペース、CRY IN PUBLICが持ってくるZineあれこれ、東東京のオンライン・レコ店、レコンキスタのいぶし銀の銀盤黒盤あれこれが並び、それぞれお客さんとのおしゃべりに夢中になっている、というような。
そのまま、ファウンテンサンのダニエル・ヒグスにディスコード・レコーズとシンプル・マシーンズのことやボルチモアとワシントンDJのハードコア・シーンのことを尋ねてみるのもいいでしょうし、ディージェイ・ミクスト・メセジズことベス・ウーテンを捕まえてポートランドのこと、ロックンロール・キャンプ・フォー・ガールズのことを訊くのもいいでしょう。もちろん、ドラッギング・アン・オックス・スルー・ウォーターことブライアン・マムフォードの袖を引っ張って、彼が関わってきた社会運動の話に火をつけてみるのも一興かと。
という、そのような「あきでら」をお楽しみに……。え? 知ってるバンドが出てないって? ノンノン。知らないバンドがこんなに出てるんだからきっと面白いに決まってる。だって、世界は広いんだもの。お化けを見たことなかったら、きっとここで聴くことできる2015年の「あきでら」でお待ちしています!
11月8日(日)東京・町田 簗田寺
東京都町田市忠生2-5-33
出演:ドラッギング・アン・オックス・スルー・ウォーター、ファウンテンサン、コルネリとかみのけ座銀河団、ASUNA、nan!ka?
作品展示:石橋歩
出店:CRY IN PUBLIC(Zineなど)、Record Shop Reconquista(レコードなど)ほか
開場 3:30pm/開演 4:00pm/終演予定 8:00pm
料金:3,000円(予約)/3,500円(当日)/2,000円(学生)*中学生以下無料
予約:saitocno(ticketsaitocno@gmail.com)、安永哲郎事務室(info@jimushitsu.com)、スウィート・ドリームス・プレス(info.sweetdreams@gmail.com)
簗田寺へのアクセス:町田駅西口バスターミナル(3番)より「町33 下山崎行」「町32 小山田桜台行」もしくは「町34 小山田桜台行」にご乗車ください。会場最寄りのバス停は「忠生2丁目」、そこから徒歩で数分です。なお会場にはお客様用の駐車場は用意しておりません。公共交通機関のご利用をお願いいたします。
企画・制作:saitocno、スウィート・ドリームス・プレス、安永哲郎事務室
協力:簗田寺、株式会社インパートメント、HEADZ
音響:Fly-sound