Laura Gibson – Empire Builder

アーティスト:ローラ・ギブソン(Laura Gibson)
タイトル:エンパイア・ビルダー
カタログ番号:SDCD-032
発売日:2016年12月15日
収録曲数:12曲
パッケージ:A式紙ジャケット(シングル)/32Pブックレット(歌詞対訳掲載)
ライナーノーツ:荒田光一
歌詞対訳:mmm(ミーマイモー)
定価:¥2,000+税

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米オレゴン州ポートランドからニューヨークへ、新天地で待ち受けた困難を乗り越え
そのソングライティングの強さとしなやかさを増したローラ・ギブソン5枚目の最高傑作

 2014 年夏、ローラ・ギブソンは単身アムトラックの長距離列車に乗り、長く住み慣れたオレゴン州ポートランドからニューヨークへと移ります。西海岸と東海岸をつなぐ長い長いその路線の名は「エンパイア・ビルダー」。しかし、車上の人であるローラはもちろん、これからニューヨークで待ち受けている数多の不幸など知る由もなかったでしょう。

 到着早々、彼女は足を骨折し、上がり下りに不自由なアパートの5階の部屋を出ていくことになります。さらに翌春、彼女が住んでいたイーストビレッジの住処は大きなガス爆発事故のために建物ごと全焼(この事件は日本でも大きく報じられました)、彼女は命からがら逃げ出しましたが、持ち物のほとんどすべてをそこで失うことになりました。身元を証明するものも、楽器も、書き溜めた日記や歌詞も……。その後の数か月は友人宅のカウチやゲストルームを転々としながら生活を立て直すことに費やされ、さらに、入学した大学院の課題をこなしながらローラは失った歌詞を思い出すという作業に邁進したのでした。つまり、本作の背景には、こうした喪失と再発見の日々があります。

 また、学校で学ぶフィクション・ライティングの授業や講義を通じて、彼女はストーリーテラー/ソングライターとしての自分をいちから再構成し、見つめ直すのでした。そして、その喜びと自信の深まりは、彼女が困難を乗り越えて手にした大きなダイアモンドだったに違いありません。

 さらにこの作品を支えるため、旧友のキラ星のような音楽家たちが集められました。デス・キャブ・フォー・キューティーのデイヴ・デッパー、日本でも人気のマルチ演奏家ピーター・ブロデリック、そしてニーコ・ケースのダン・ハント、ディセンバリスツのネイト・クエリー、さらにSSW のアリーラ・ダイアンまで。自立、女性性、独居、人間関係や孤独をテーマに、喪失~再発見の瞬間を見事にとらえた『エンパイア・ビルダー』。強さとしなやかさを一層増した歌声とプロダクションは、大都市ニューヨークを歩く彼女のぴんと伸びた背筋を思わせる大きな飛躍のアルバムと言えるでしょう。

1. The Cause
2. Damn Sure
3. Not Harmless
4. Empire Builder
5. Five And Thirty
6. The Search For Dark Lake
7. Two Kids
8. Louis 
9. Caldera, Oregon
10. The Last One
11. The Easy Way*
12. Animals*
* 日本国内盤限定ボーナス・トラック

ローラ・ギブソン(Laura Gibson):米オレゴン州にある人口5,000人ほどの小さな町コキーユに生まれたシンガー・ソングライター/チェロ奏者。可憐な佇まいと憂いに満ちた歌声でポートランドのSSWシーンで頭角を現わす。アルバム・デビューはハッシュ・レコーズからの『If You Come to Greet Me』(2006年)。スモール・セイルズのメンバーとしても知られるサウンド・アーティスト、イーサン・ローズとの共作アルバム『Bridge Carols』含め、これまでに計5枚のアルバムを発表した(うち3枚はHEADZにライセンスされ国内盤化)。日本にも2009年に来日し、リキッドルーム(東京)で開催されたフェスティバル「De La FANTASIA」出演を含めた5公演を大好評のうちに成功させている。

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