
昨年の「解除」と「奔放」展に続き、ジュヌヴィエーヴ・カストレイの絵画展を開催いたします。カナダのドロウン&クオータリー社からの新刊コミック『Susceptible』の発刊を記念して、今回は彼女のコミック・アーティストとしての面に焦点を合わせた原画展となります。まさに「ベスト・オブ・ジュヌヴィエーヴ」な内容となりますのでぜひいらっしゃってください。彼女の原点であるカナダ、モントリオールの冬をテーマに、悩んでばかりいるひとりの女性の足跡を追っていきます。
HIVERS ~冬~ ジュヌヴィエーヴ・カストレイ コミック原画展
目白・ブックギャラリー ポポタム(03-5952-0114)
東京都豊島区西池袋2-15-17
会期:2月8日(金)~2月19日(火)
時間:正午12:00~7:00pm(初日は3:00pmより/金曜日は8:00pmまで)
休廊:2月14日(木)

HIVERS.
Hivers means “winters”. Where I am from the winters are dramatic. Snow and ice cover the ground and on a clear day your nose feels frozen and you squint your eyes because the sun and the white together make so much light. When snow falls the air is warmer and at night it really feels like a blanket putting houses to sleep. When I was a kid, I struggled through the Montreal winters. I would wait for the school bus with tears in my eyes because I couldn’t feel my toes anymore. Now that I live so far away from authentic Canadian winter cold, on the temperate West Coast, I miss my childhood winters more than ever. Winters are a good place and time to start over. A new piece of paper.
「Hivers(イヴェール)」とはフランス語で冬という意味です。私の故郷はドラマチックな冬のある場所でした。雪と氷が地表を覆い、晴れた日には鼻が凍りつき、太陽と照り返しの強さで目を開けていられない場所。雪が降ると寒さが緩み、夜になると家々がブランケットにくるまっているように見えたものです。モントリオールの寒さが身にこたえた子ども時代、通学バスを待っているときなど、寒さでつま先の感覚がなくなり涙が出たものでした。今ではカナダ特有の寒さから遠く離れ、温暖な西海岸で生活するようになりましたが、今では無性に子どものときに体験した冬の寒さが懐かしく思われるのです。冬はまた一から何かをはじめるのに格好の場所と季節なのかもしれません。それは真っさらな白紙なのです。